2022-03-18

旅を愛するLITTLE SNUFKIN

旅を愛するLITTLE SNUFKIN

アイスケーキが教えてくれる人生の在り方・私たち夫婦は旅の途中

今年でご結婚11年目を迎える高橋さん・さんご夫妻が、鎌倉を拠点に運営するヴィーガンアイスケーキ・LITTLE SNUFKIN

昨年の春に最終目的地を宮崎にした西日本をキャンピングカーでまわる旅。そしてご夫婦で過ごしたハワイ島への旅が、LITTLE SNUFKINを始めた理由に大きく影響しているようだ。アイスケーキを始める前は、それぞれ別の仕事をし、これまで忙しく、帰宅するとすぐに就寝するという、お互いに時間が合わない生活がずっと続いていたお二人。

そのご夫婦の在り方が大きく変化したのは、キャンピングカーでの宮崎2日間の旅だったという。宮崎にいる、ある方に会いにいく旅。その方に教わるはじめてのサーフセッションで、うまく波に乗れずにいると、もう少し練習をしてから海に入るか、このままもう一回海に入るか聞かれた。お互いにそれぞれの選択をし、別々に思い思いの時を過ごす中で、その方から夫婦の関係性を指摘されたそう。

「今まで重なり合うことも、衝突しあうこともしてこなかった自分達の、見て見ぬフリをしてきた問題点を突きつけられ、夫婦の在り方を考えさせられました。会いたかった人に、そして普段の生活の中でなく、旅をしていた時だったので、受け入れられたのかもしれません。その帰り道にすぐ、何か二人で一緒のことにチャレンジしたいよね、と話しました。そして、自分達がどう生きたいかを表現できるもの、それがアイスケーキでした。白砂糖も乳製品も不使用、有機食材で作られた菜食菓子。誰もが食べられるものを届けて、生き方を表現し、繋がっていけるようにと生まれたのがLITTLE SNUFKINです。」

LITTLE SNUFKINという名前は、いくつかの候補があった中で、彩さんがふと呟いた”スナフキン”というワードがきっかけだったという。

「モチーフになっているムーミンのスナフキンは、旅のイメージがあって、そのスナフキンの言葉が、今の自分達の生き方を表しているものでした。スナフキンの生き方に共感しながら、『自分達の内なる声・心の中の小さな声』に耳を傾けようという意味を込めて付けました。そして、その旅は、自分の内面を知る旅と外に出ていく環境的な旅ということでもあります。」

そのアイスケーキのパッケージには、翼さんが紡いだメッセージが一緒に書いてある。

「有機的な関わり。例えば野菜で言うと規格外のもの。みんな同じじゃないのが当たり前で、そのもののユニークさ、誰しもが持っている個性を大事にして生きていきたい、とよく二人で話しています。それは長年に渡って、サッカーの指導者という立場で子供と接していることもあるかもしれません。それを言葉として『本』にする人もいるかもしれないけど、みんなが食べられる素材であれば誰でも手に取れる『食べ物』に、私達は想いを乗せることにしました。そのメッセージは、今10種類あります。受け取ってくれた方の人生にきっかけを与えられたら嬉しいです。」

お二人は『有機的な繋がり』をよく発信している。

「私達は人と繋がるために生きているのでなく、もうすでに繋がっていて、ありのままでいることで、もうすでに誰かの役に立っている、そういう思いがあります。先日、仕入れ先の方と話をしたのですが、『一つのレモンでも、果実の部分を活かせる人がいて、また別に、皮の部分を活かせる人がいる。』、必要・不必要を取っ払った時に、全て必要であり、循環し、影響し合っていける、そういった繋がりです。このことは、『ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方』という自然農をしている方のドキュメンタリー映画から気付きを得ました。植物も動物も人間もそれぞれの役割があって、、循環ですよね。みんなが誰かと同じことをすることは、実は不自然だよね、自然体に返っていく、みんなでそれが出来たら豊かな世界になっていくんじゃないかなと思っています。」

そして、ハワイ島ヒロ。ゲストハウスで10日間過ごす中、お二人の生き方で大きなベースになった旅。

「大自然と繋がることを強く感じました。その土地のエネルギー、溶岩の大地の上に立っていた時、とても晴れていたのに、急に雨に降られたんです。そしたら雨があがって、太陽と月が見え、私達の目の前に大きな虹がふたつ。こうやって私達が自然を感じることを閉ざさなければ、いつだって豊かさを見せてくれるんだと感じました。それも、『もう少しだけここに居ようよ。』と言っていた直後の出来事でした。日常的にも感覚を開くべきで、どちらかに偏り過ぎてもいけない。感覚と思考のバランスは、大事にしています。」

「そして、その後のナイトマーケットで、ヴィーガンアイスを作るご夫妻と出会いました。ご夫婦の人柄と、そのアイスの味がとても美味しくて、自分達もいつかやりたいという気持ちが生まれ、LITTLE SNUFKINのアイスケーキにとても影響しています。」

レシピ・アイスの製作は、彩さんが担当されているLITTLE SNUFKIN。ヴィーガンのアイスケーキにしたきっかけは、彩さん自身の病の経験からだった。

「20代後半に休まず働いていた時に、婦人科系の病気になってしまいました。強い薬を服用していた私は、お薬でしか機能しない身体に段々と恐怖を覚えました。自分の声を聞くこともせずに、自分の身体は丈夫だと思い込んでいた私に、身体が最終的に教えてくれたと思っています。鍼、食事、ヨガ、アーユルヴェーダに出会い、心と身体のバランスを見つめ直しました。私の場合は、ヴィーガンだとバランスが取りにくかったので、今は身体がきちんと消化でき、栄養になって身になっても、心地いいものを取りたいと思っています。それはアイスケーキの考えにも通じていると思います。」

「口にするものから自分を大切する選択が出来たらいいなという思いがあり、全て有機食材のみでお作りをしています。愛情を持って育ててくださった素材は、口にする度にシアワセな気持ちになるのは、きっとみんなどこかで感じるのではないかなと思っています。だから素材選びも、その思いが届くようにこだわって選んでいます。」

「私自身、もともと甘いモノが大好き。でも、市販のお菓子の中でアイスクリームが、一番添加物が多いと気が付いてからは、自分で作ってみよう、そして、ハワイ島で味わったヴィーガンアイスが繋がり、心から満足して食べれるもの、心も身体も満たせれるっていう一般的な言葉ですが、『大切な人に食べてもらいたい』というものを作りたいと思いました。今あるほとんどのアイスケーキは、ホールケーキが主。アイスではなく、アイスケーキにした理由は、一人でも食べたい時もある、小さいアイスケーキがあれば、温かい飲み物と一緒に、一人でも豊かな時間を過ごすことが出来るからです。」

アイスケーキのデザインは月と太陽。そのモチーフを選んだ理由はというと、

「ハワイ島での旅の印象もありますが、陰と陽からも来ています。シアワセな時、落ち込む時、表と裏、幸せと不幸、成功と失敗、どちらかに焦点を当てがちだけど、どちらも大切だと思っています。どちらか一方に目を向けた時に、どちらか一方が良くないことだと思われてしまう。どちらもあって一つ、どちらも素晴らしいことだというメッセージを込めています。」

昨年、彩さん一人で、ある方を訪ねて行ったハワイ島1ヶ月半の旅。着いた初日から、火山の噴火が起きたハワイ島・ヒロでは、幼少期のトラウマを思い起こすきっかけと、それを癒す激動の旅だったとか。

家庭環境と幼い頃の辛い記憶。

「ネガティブな感情を出した時、突然ドッという地震が起きました。まるで、全て吐き出してもいいんだよ、と言われているようでした。」

綺麗でポジティブなものだけでなく、心の奥底にある、人に隠しておきたい部分をあえて見せてくれた高橋さん。それこそがアイスケーキのモチーフ・太陽と月に通じる、陰と陽。その両面があったからこそ、今の彼らがいるということ。

日常から離れ、知らないことに触れることで、自分の状況、闇の部分も全部ひっくるめて分かるのが、旅の良さだという。

「お薬ではなく、自然を通して自分を癒せる力を人間は持っている、ということを知るために、私はこの経験をしたのかなって思っています。話すまではこれが大きなトラウマだなんて思ってもいませんでした。誰しもが抱えている悩みや心の傷は、人や大自然に頼ってもいい。でもそれを最終的に解決できるのは自分。」

「一人一人が自分をちゃんと満たせていたら、誰かへ不満を持つことも、誰かと比べることもなく、それよりも手を差し伸べたり、もっと誰かに優しくなれる。ハワイ島の旅でお世話になった尊敬する方のように、その方に寄り添って、そっと背中をおしてあげられるようなブランドでありたいと思っています。そんな世界の輪が広がっていったらいい。美味しいものを食べていたら、シンプルに人間は幸せを感じて満たされますもんね。」

旅を愛するLITTLE SNUFKINが届けるアイスケーキ。お二人は最後にこう伝えてくれた。

「Made in Love でお作りしている『自分を愛する、愛す(アイス)ケーキ』です」と。

LITTLE SNUFKIN

鎌倉を拠点に、2021年に始動。月毎に変わるフレーバーのアイスケーキ、素材探しから始まるフルオーダーのホールのアイスケーキの通信販売。

鎌倉GERATELIA SANTIにてOPEN DAYを設けている。(催事等の詳細は以下のInstagramをご覧ください。)

お問い合わせ:LITTLE SNUFKIN Instagram

Photo & Interviewee :
Tsubasa Takahashi / Aya Takahashi

Text & Edit & Interviewer : Sonoka Takahashi

お二人からお預かりしているハワイ島での動画もありますので、後日インスタグラムにて更新させていただきます。

そして、個人的なお祝いに、Issue4のSpring To Mindというテーマで、旅と春のアイスケーキを作って頂きました。後日、素敵なアイスケーキの写真を投稿させて頂きます。

Issue4 “Spring To Mind”

Day 2 : Coming Soon…

Issue4は2回に分けてお届け致します。更新の日程は、Bayuk Instagramにてご確認ください。

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