2021-12-16

Cafe Culture In Melbourne

Melbourne

カナダに一年滞在後、オーストラリアのメルボルンに向かいました。メルボルンを選んだきっかけは、コーヒー文化が世界一の街と聞いたからです。毎日出るコーヒーの数がとにかく桁違い。街には日本のコンビニの数ぐらいカフェがあります。世界貿易では、石油の次にコーヒーの輸出入がくると聞いて、日本での生活の中では、想像もつきませんでしたが、メルボルンのカフェカルチャーを肌で感じたことで納得ができました。

オーストラリアでは、レストランとカフェが一体化していて、ほとんどのカフェがテーブルサービス。席についてコーヒーやフードをオーダーするシステムです。メルボルンはどこのカフェも朝7時からオープンし、朝のラッシュがあり、ランチタイムまで忙しいのですが、昼以降は落ち着いて15時か16時には閉まります。

カナダもそうですが、土日はファミリー層が目立ち、週末の朝は、カフェで朝食をとる文化が根付いているようです。最初にコーヒーとフードをオーダーして、食前のコーヒーを飲み、フードを食べてから、また食後のコーヒーを頼む人が多いです。

オーストラリアの子供は、小さい頃からコーヒーやカフェに慣れ親しんでいて、デカフェのカフェラテやフラットホワイトを飲んでいたりします。ミルクの泡にチョコレートパウダーがのった赤ちゃん用のベビーチーノという飲み物さえあります。

オーストラリア特有の飲み物はMagic。エスプレッソの抽出を短くしてだしたダブルリストレットにカップの3/4までミルクを注いだもので、ミルクドリンクですがカフェラテよりもコーヒーのフレーバーを濃く感じる飲み物です。

オーストラリアは南半球に位置しているので、日本と季節が真逆。なので、クリスマスは真夏!ホリデーなのでお休みのカフェも多いですが、開いているカフェは大忙しです。

クリスマスもカフェで家族ランチを楽しんでいます。カフェでランチというと、カジュアルな響きですが、オーストラリアのカフェで働くシェフは一流です。日本でいう、レストランのような感じです。ランチもクリスマス仕様のメニューになっていて、美味しいランチとコーヒーが飲めるので、クリスマスのカフェはいつも以上に大盛況です。

カナダ、オーストラリアではベジタリアンオプションやヴィーガンオプションが豊富にあります。ソイミルク、アーモンドミルク、オーツミルク。この3種類はどこのカフェも大体あり、代替えミルクの方が乳製品のものより最近では多いです。ただ単に、ベジタリアンやヴィーガンだからという理由だけでなく、地球温暖化、環境に配慮してそれらを選んでいるようです。

牛のゲップから放出されるメタンガス、また酪農のための資源などが地球温暖化の原因に繋がると問題視されているからです。またミルクを作るためにどれだけの土地、水が消費されるか、資源を無駄にしたくないという想いから、代替えミルクを選択している人が多いように感じます。

コーヒーを大量に消費する文化だからこそ、マイカップを持参する人も多いです。オーストラリアもカナダも広大な自然に囲まれていて、山火事などが毎年身近に起こることもあり、とにかく環境に対する意識が高いと感じました。

また、ローカルビジネスをサポートする意識が高く、どこにお金がいくのかまでしっかり考えて買い物をしています。

オーストラリアのバリスタの採用基準ですが、技術力です。即戦力が求められ、話す間もなくバーに立たされます。最初に技術チェックでミルクの温度チェック、ラテ、カプチーノを2杯同時に淹れてラテアートやフォームのチェックされるところがほとんどです。

技術チェックがOKだったらそのまま短時間、トライアルとして働きます。面接はあまりないので、作りながら出来るだけ話をし、コーヒーの技術はもちろん、スタッフやお客さんともコミュニケーションがいかにとれるかが大切になってきます。

カフェがバリスタを育成するカルチャーが整っているメルボルンは、カフェが早く閉まることもあり、クローズ後にいろんなカフェがカッピングというコーヒーのテイスティングやセミナーを開催しています。ファーマーやグリーンバイヤーから直接話を聞く機会も多いのです。

コーヒーは、ワイン以上に様々なフレーバーが合わさっていて、ひとつのコーヒーからいくつものフレーバーがとれます。コーヒーの抽出のプロであるバリスタが、味をとって、レシピや淹れ方を調整していきます。日に日にコーヒーの味が変わるので、その日にあったレシピづくりをするのにも、舌のトレーニングが重要になります。バリスタは【カッピング】という、ソムリエでいうワインのテースティングの回数を重ねることで味覚のトレーニングをします。

メルボルンは世界でもコーヒーの大量消費国なので、世界各国からトップクラスのバリスタが集まってきて、カッピングやセミナーで色んな人の意見をきいて学ぶことができます。他のカフェで働いているバリスタと交流や意見交換できます。

みんな自分の意思で学びにきて、勉強しているので、モチベーションが高く、良いエネルギーで刺激を沢山受けルことができます。海外では、より個人のスキルが試されるので、会社に頼らず自分次第でスキルを高められる、バリスタとして良い修行ができる街だと思います。

メルボルンおすすめカフェ

Market lane

ほとんどのお店がマーケットに隣接しています。メルボルンでは珍しく、食事は一切提供せず、コーヒーだけのシンプルなお店。マーケットでパンなどを買って持ち込んでお店で食べてもOKなようです。

グリーンビーンの買い付けの会社(メルボルンコーヒーマーチャント)と提携してやっていて、農家との関係性をしっかり築き、サスティナビリティー、トレイサビリティー、フェアトレードをしっかりやっていて、セミナーも開催しています。店内もヨーロッパ調で素敵です。予約制で週一でカッピングのイベントがあります。

Code black 

Brunswickのお店が本社になっており、そこでロースティングされています。行くなら是非Brunswick の店舗をおすすめします。コーヒーの大会で数々の優勝、入賞者を輩出しているカフェで世界的にも有名です。あまり手に入らない大会で使うような希少な豆もお店に並んでいることがあります。

Ona coffee

世界大会で優勝したサーシャがオーナーのカフェ。世界的にも有名なカフェです。

キャンベラに本社があり、シドニーにもお店があります。近年メルボルンにもお店がオープンしました。ここはとにかくグリーンビーン(生豆)がすごい。グリーンビーンの会社(プロジェクトオリジン)と提携していて、徹底的に農家と協力し、豆を管理しています。

フローズンビーンといって、豆を凍らせることで鮮度を保ち、美味しいコーヒーを提供するという革新的な方法を生み出しました。豆をフローズンしているのでコーヒーのオプションが多く、バリスタのプレゼンをききながらコーヒーが飲める空間で、スペシャルな体験ができます。

Text & Photo : Sayaka Saito
Edit & Text : Sonoka Takahashi

実は沖縄出身の斉藤さん。今回この記事に掲載出来ていない沖縄のおすすめのコーヒーショップなどの情報もインスタグラムに掲載しますので、ぜひお楽しみに!

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